あらすじ
元・最強の忍び。
今は、寺子屋の先生――のはずだった。
明和七年、江戸・日本橋。
寺子屋「青義堂」で師匠をつとめる十蔵は、
学問は苦手ながら剣術に秀でた才を持つ下級武士の息子・鉄之助、
浪費癖のある呉服問屋の息子・吉太郎、
極度のあがり症ながら手先の器用な大工の息子・源也ら、
事情を抱えた筆子たちに寄り添いながら、穏やかな日々を送っていた。
しかし十蔵は、かつては凄腕と怖れられた公儀の隠密だった。
藩を巡る陰謀と、忍びたちの不穏な動き。
その影が、寺子屋の筆子たち、そして離縁した妻・睦月へと迫る。
守るために、十蔵は再び走る。
そして筆子たちもまた、自らの意志で立ち上がる。
十蔵の記した忍びの教本『隠密往来』をたよりに。
人を想い、人のために生きる。
それが大人になること
十蔵は、人を守ることができるのか。
