STORY
「緋色の研究」
アフガニスタン帰りのワトソンは
手持ちの金を使い果たし、下宿を探しはじめる。
知人の紹介でシャーロック・ホームズという男が自分と同じように部屋を探していることを知り、
共同生活を始めるのであった。
何文化的素養はないが、
科学や犯罪についての知識は驚くほど博識なホームズ。
握手しただけで自分がアフガニスタン帰りだということを見抜き、
一目見ただけで部屋に来たメッセンジャーが海兵隊の退役兵曹であることを言い当てる、
このシャーロック・ホームズという風変わりな男にワトソンは興味を抱いていった。
やがて、ホームズの探偵としての能力を実証する機会が訪れた。
血痕の飛び散った空家の一室で死体が発見されたが、外傷が全く見られない―。
警視庁からの連絡に二人は現場へと急ぎ、ホームズは独自のやり方で捜査を始める。
そこで発見した金の指輪は誰の物なのか?
そして壁に残された”RACHE”の意味は…?
背後に漂う恐るべき復習譚の真相をホームズの推理で暴くことができるのか!?
『相棒のワトソン君は、冷静で常識的なんだけれど…』
『ホームズと縁を切りたいと何度も思うんだけれど…』
「四つの署名」
軍人の父の謎の失踪から10年以上過ぎ去ったその日、
ある手紙を受け取ったメアリー・モースタンは、シャーロック・ホームズを訪ねる。
何故か毎年真珠を贈ってくる謎の人物から、
今年は妙な招待状も贈られたというのでホームズの所に相談に来た。
サディアス・ショルトなる人の家に向かった一行は、
モースタン大佐は従軍中に発見したアグラの財宝の処遇について
彼の亡父のショルト少佐と口論している最中に心臓発作で死亡したと知る。
しかしメアリー嬢に遺贈されるはずの財宝は、
彼の亡父のショルト少佐と兄弟のバーソロミューの反対で、
真珠程度しか贈られてこなかったのだ。
その後ショルト家の屋敷へ向かった一行は、
バーソロミューが異様な笑みを浮かべて死んでいるのと、アグラの財宝が消えたことを発見した。
死体には「四つの署名」という、モースタン大佐の遺品や
ショルト少佐の病死の際にあった紙と同じものが添えられていた。
現場を調べたホームズは犯行は二人で行われ、毒の吹き矢が死因だと明らかにする。
しかし後から来たジョーンズ警部は頓珍漢な推理でサディアスと屋敷の使用人らを一挙に逮捕した。
もう夜も遅かったので、ワトソンはメアリー嬢を家に送った。
この宵の奇怪な出来事が二人の距離を一気に縮めていたが、しかしこんな時では財宝目当ての男のようだし、
弱った心の隙につけ込むことだとも思えて、ワトソンは募る思慕を自制するのだった…。
『他の要因をすべて排除してしまえば、残ったひとつが真実であるに決まってるのさ』
『例外は原則を否定するものだ』