STORY
「僕は、誰なんだろう」
七沢直希は、外界から隔絶された
殊な開発室にいた。
エーテルという企業が、
起死回生を狙って開発した
革新的なゲーム作品「フォールポイント」。
そのVRダイブシステムを
開発するための場所だった。
最終テストをエーテルの
主要メンバーで行う特別な日。
すべての開発の中心である
天才クリエーター、七沢直希を筆頭に、
AI開発主任の 宇吹安那、
社長の錦城壮吾、社長夫人の錦城花凜、
この4人が開発室に集まっていた。
「ここから出られないって
どういうことだよ!」
テストには参加しない予定のVR開発室室長、
乾英俊が彼らに説明する。
突然のトラブルにより、この開発室唯一の
出口が開けられなくなってしまったこと。
助けが来るとしたら、
テスト終了予定時刻である2時間後。
それまで彼ら5人は、
この密室で過ごすことになる。
ただ2時間を過ごすだけ。
これ以上のトラブルは起こらない。
七沢直希はそう考えて、
「フォールポイント」を起動する。
ある男の横にチューターを名乗る
女性が現れて、告げる。
「このシナリオの最後に
辿り着く時に、
あなたは本当のあなたに
なれるでしょう」
その直後、意識が仮想空間に放り出され、
その男は暗闇を転落していく。
どこまでも落ちた先の落下地点。
そこから物語が始まる。
この場所で待ち受けている運命は、
まさしく地獄と呼べるものだった。
CHARACTER
七沢直希(梅津瑞樹)/
ゲームクリエーター
宇吹安那(花柳のぞみ)/
エーテル社AI開発主任
錦城壮吾(柳下大)/
ゲーム開発会社・エーテル社社長
錦城花凜(今村美歩)/
エーテル社 重役。錦城壮吾の妻
乾英俊(加藤啓)/
研究者。VR開発室室長